てくてく石川
2017.10.19座禅体験
賑やかな都市で、日々、仕事に追われている現代人のほとんどは、心を静めて何かを感じたいという願いがあるでしょう。私もそうです。そう思いながら、秋晴れの日に、アメリカ、ブラジル、中国の国際交流員で、羽咋市の妙成寺と永光寺へ寺院見学・座禅体験に行きました。まずは妙成寺へ出発!
行きのバスの中
まず金沢駅から70分くらいバスにゆられて羽咋市に向かい、さらに妙成寺まで25分歩きます。
妙成寺
いっぱい歩いて、やっとたどり着きました。暑かったです!!
昼ご飯の時間だったので、拝観の前に食事をしました。
美味しい蕎麦を食べて、元気が戻ってきました。
では、妙成寺に入りましょう。
二王門(におうもん)
日本のお寺はやはり奇麗です。筆で描かれたものや石に刻まれた言葉、建物や像まで本当に感心します。
日本の建築はすごいです。
稲穂に囲まれている妙成寺は、10棟が国重要文化財です。
良いお天気に恵まれたおかげで、古い建物が輝かしいです。
浄行堂(じょうこうどう)
青い空にそびえている五重塔は、厳しい海風や、強い地震にも耐えているそうです。
中国では、仏教の信者は、永遠にしぼむことのない、功名利禄などを全て捨てた仏の足下の蓮の花になるのことに憧れます。きっと、日本でも同じような信仰心があるのでしょう。
「梢よりあだに落ちけり蝉の殻(松尾芭蕉)」のように、人間も何回も過去の自分を捨てなければ、
成熟した大人の自分を見つけることはできません。
妙成寺訪問が終わり、永光寺に向かう時間になりました。でも、暑かったので、移動する前にソフトクリームを食べて、ちょっとリフレッシュしました。
永光寺では、坐禅体験をすることになっていたのですが、私たちを案内してくださったのは、
なんとブラジル人のお坊さんのブルーノさんでした。
彼は4年前に修行に日本へ来て、もうすぐで修行が終わるそうです。
ブルーノさんは最初に私達に坐禅のやり方を説明してくださいました。
座り方や姿勢、頭と目線の角度など様々なことです。
坐禅は色々な人が想像するのとは違い、集中して、心を空っぽにすることが目的ではなく、坐禅そのものが目的です。
姿勢正しく座って、思い浮かんでくる考えなどを否定しなければならない、ということはないそうです。
ルールと言えば、動いてはいけない、何も触ってはいけないぐらいでした。
お坊さんたちは50分ずっとやっているそうですが、体験は25分でした。それでも、充分だったと思いますね。
体験中には、時間は静かに流れるように感じました。普段の悩みや心配事はしばらく遠くなったような気がしていました。
外の蝉の鳴き声が一層よく響きました。
その鳴き声を聴いているうちに、蝉の数も数えるほど頭が冴えるようになってきました。
座禅って良いなと思っていましたが、急に、やっぱり・・・と考え改めてしまいました。
右の頬が痒くなってきたからです。掻きたくてたまりません。それに、ちょうどその時、組んだ脚も痛み始めました。
動きたいけど、我慢するしかないのです。座禅とは、そもそもこういうものなのでしょう。
座禅終わりの鐘の音が響き、「助かった」という気持ちになったとは、予期できなかったことでした。
体験が終わると、ブルーノさんとお茶を飲み、お坊さんが坐禅の時に使う警策(けいさく)(棒のこと)を見せていただきました。
帰る時にブルーノさんと写真を撮りましたが、サーファーのポーズをしてくださり、とても意外で面白かったです。
ブラジル人らしいところがある、チャーミングな方でした。
この日のことを友人に話し、「何か悟りましたか」と聞かれた際、私は、「うん、もちろんです」と答えました。
この雑念で一杯の私たちは、どうしてもお坊さんになれないということを悟りました。
皆さんも暇な時は、坐禅に挑戦してみたらいかがでしょうか。