平成22年度テーマ別研修会については、予定が決まり次第こちらのページに情報を掲載いたします。
筑波大学留学生センター非常勤講師 ボイクマン総子氏
「会話教材の開発とその実践〜『聞いて覚える話し方 日本語生中継 初中級編』を使って〜」
『聞いて覚える話し方 日本語生中継』は、自然な会話の習得を目指して作成された教材です。今回の研修では、この教材のコンセプトと、それを授業の中でどのように実践しているかについてお話ししたいと思います。 会話が自然であるかどうかは、文法の正確さや語彙の適切さだけで評価できるものではありません。場面に応じて表現を選び、談話の流れにも配慮する必要があります。 また、話し手が伝えたい気持ちと、用いられた表現や談話の流れが合っているかどうかにも気をつけなければなりません。研修では、このような、本教材の開発の基となったコンセプトの詳細とそれらが教材にどのように反映されているのかについて、ご説明いたします。 さらに、この教材のコンセプトを活かすには、何に留意して学生に練習させ、学生が行った会話にどのようなフィードバックを与えればいいのかについても、私自身の授業実践を例にして、参加者のみなさんと一緒に考えたいと思います。
下記より申込書がダウンロードできますので、ご記入の上ファックス、郵送、電子メールにて協会までお送り下さい。
(財)石川県国際交流協会 石川県日本語・日本文化研修センター(担当:今井、橋爪、中島) 電話番号:076-222-5932 ファックス:076-222-5932 電子メール:koshi2@ifie.or.jp
プリンストン大学東洋学部教授 牧野成一氏
「翻訳で何が失われるか」
言語A から言語Bに翻訳するときに失われるものはたくさんありますが,言語Aを知らない人にとっては翻訳は不可欠ですから,翻訳の功罪は功の方がはるかに大きいことは否定できないでしょう。しかし,私のお話では敢えて日本語で書かれたもの --- 特に詩や小説 --- を英語に翻訳する場合, 一体何が失われるかを考えてみたいと思います。日英語は表面上の構造がかなり違っているので,もちろん,まず音と表記は失われます。しかし,俳句や短歌や現代詩のように音が決定的に重要な役割を果たしている文学ジャンルでも日本語から英語へ,英語から日本語への翻訳がかなり頻繁になされています。表面の語彙の形態やシンタックスももちろん失われます。 日本語の原作の会話の部分に出てくる方言の持つ音と含意も失われます。さらに,日本語で書かれた文学作品を英語に翻訳する場合に認知的に何が失われるのか ---つまり,日本語の原文には明示的に表現されている深い認知的な意味が翻訳でどうのように失われるかについても考えていきたいと思います。この考察対象は多岐にわたりますが,今回は,日本人の作家が意識的か無意識的にするシフトの問題,特に,時制,フォーマリティ,数などのシフト現象に焦点を置いてお話します。最後に日本語教育との関係でも翻訳によって何が失われるかを知ることによって読み教育のフォーカスが定まるのではないか,ということを指摘し,この角度から読み教育のあり方を考え直したいと思います。
(財)石川県国際交流協会 石川県日本語・日本文化研修センター(担当:今井、笠置) 電話番号:076-222-5932 ファックス:076-222-5932 電子メール:koshi2@ifie.or.jp
過去のテーマ別研修会
平成21年度テーマ別研修会 平成20年度日本語教育研修講座